原田寿選手インタビュー「柔術とは聴者と聴覚障がい者を笑顔でつなぐ大切なコミュニケーションツール」

皆さんこんばんは。河村です。

今回のインタビューはJIU JITSU DAYSの初の試みである「インタビュー希望者募集企画」にご応募頂いた原田さんにお願いしました。

原田さんは聴覚障がいをお持ちで、「手話のある柔術体験教室」や「手話の勉強会+手話ばなし」をご自身で企画し開催されておられます。

どういった経緯でそのような考えに至ったのか、そして原田さんの今後の目標などをお聞きしてみました。

それではお読み下さい。


まず、原田さんの格闘技歴をお教え下さい。


格闘技は、30歳を過ぎてから、ブラジリアン柔術黒帯の友人からの勧めで、そこで初めて格闘技/ブラジリアン柔術を始めました。


原田さんは聴覚障がいをお持ちですが、いつからでしょうか。


生まれつき「両耳感音性難聴」で、聴力を失ったままです。

補聴器を着用すれば、近くの小さな音声や救急車などの大きな音(サイレンや飛行機など)には反応できます。

“プライベートレッスンの中村憲輔先生と”


柔術をする上で苦労することは何でしょうか?


ブラジリアン柔術をする時は相手との密着や投げ、絞め技がある為、補聴器を外しています。

その場合、当然、周りの声や音は聞こえず、分かるのは、振動覚と視覚と触覚のみです。

柔術をやっている時のコミュニケーション方法は主に「読話」「筆談」「身振り手振り」を用いています。

そして、その中で私が一番苦労している点は、技術練習や打ち込みをしてる時、指導者の声が全く聞こえない事です。(←補聴器を外している為)

見様見真似で何となくはできても、細かな部分やニュアンスなどの把握、理解する事が難しいのが現状です。

“ホベルト・サトシ・ソウザ選手と”


原田さんは聴覚障がい者のための「手話のある柔術体験教室」をしておられますが、そのきっかけをお教え下さい。


私の苦労した経験から、『“手話”を使って、聴覚障がいの方と共にブラジリアン柔術を広めていきたい』という想いが生まれました。

普段の生活でも、今は大変な状況(コロナ禍)で、マスクとアルコール消毒の必須を徹底にされています。

聴覚障がい者にとってのコミュニケーション方法には手話がありますが、その他にも口の動きや形を読み取る『読話』と言う方法があります。

しかし、今マスクを徹底されている中では口元が全く見えない為(筆談の方法もありますが)そこが今、苦労している所であります…。


手話おすすめ教材


おすすめ手話アプリ


「手話のある柔術体験教室」は今後も定期的に開催予定なのでしょうか?


はい、参加希望がありましたらスケジュール等をご相談させて頂き、その上で定期開催を考えています。

※今現在 は緊急事態宣言中の為、活動自粛中。


あと頂いた質問には関係ないのですが、格闘技全般をやってる聴者の為の『手話の勉強会+手話ばなし』という活動も行っています。

現在は聴者/2名で(内、お一人が第6代DEEP JEWELSアトム級王者/前澤 智さん)週に1〜2回、手話の勉強会を開催しております。

“手話の勉強会+手話ばなし”
“手話の勉強会+手話ばなし”


原田寿選手プロフィール

氏名原田 寿(はらだ ひさし)
年齢41歳
所属フリー
格闘技歴約7年
帯色青帯
練習頻度1~2回
フィジカルトレーニンググレコローマンレスリング、
バーベルスクワット、ブルガリアンスクワット
サプリメントNITRO TECH
疲れの取り方睡眠、ラーメンを食べる
柔術以外の趣味筋力トレーニング


尊敬する選手や影響を受けている選手はいますか?


全国の聴覚障がい者・難聴者、または耳の聞こえの悪い方でブラジリアン柔術をされている方、その方々を含めた、全てのブラジリアン柔術をされている皆さまです。


強くなる為に工夫している事はありますか?


聴覚障がい者にとって手話はコミュニケーションを取る上で重要で、聴者の方とブラジリアン柔術についてお互いを理解し深めて行くには手話によるコミュニケーションが必要不可欠だと感じています。

なので自分の役目は手話を広め、伝えていく事で聴者の指導者や仲間達に手話を知ってもらい、そこから”手話+ブラジリアン柔術”という新しい形で共に学び知ってもらう環境作りがとても大切だと考えています。

そしてそれが結果、自分が強くなる事に繋がる「工夫」だと思います。

“パーソナルトレーナーの赤坂大将先生と”


原田寿選手プロフィール


今までで印象に残っている試合をお教え下さい。


負け試合が多いのですが、試合は相手が居てこその成り立つ事で自分が出た試合はほとんど覚えております。

負けても勝ってもお互いに『ありがとう』と言い合える事が一番嬉しいので、どの試合も印象に残っています。

対戦後、手話で「ありがとう」を伝えて下さる方もいらっしゃり、とても嬉しかったです。


今後対戦してみたい選手はいますか?


まだ未熟で恐縮ではありますが、同じ世代の青帯の方々と試合をやりたいです!


今後の目標をお教え下さい。


何年掛かるか分かりませんが、自分が茶帯、黒帯になって、聴覚障がい者向けの柔術大会を主催したいです。

あと、今私が開催している『手話のある柔術体験教室』で全国行脚をする事です。


原田さんにとって柔術とはずばり何ですか?


柔術は私にとって聴者と聴覚障がい者を笑顔で繋ぐ大切なコミュニケーションツールです。

“第6代DEEP JEWELSアトム級王者 前澤 智選手と”


最後に一言お願いします。


聴覚障がい者の方々へ。

初めてブラジリアン柔術を習う場合(入会する)・体験する・ジムや道場に行くなど、その時耳が聞こえない事でコミュニケーションが取れるか不安が多くあると思います。

人間、十人十色ではありますが、実際は聴者の方の中にも障がいに理解のある方が多く、更にその中には手話に興味を持ち少しの手話単語なら理解されている方も時折いらっしゃいます。

ブラジリアン柔術は、聴者と色んな障がい者とのコミュニケーションツールでもあると、僕は思っています。

さぁ!手話を覚えながら、聴覚障がい者達と聴者の方々達と一緒にブラジリアン柔術をやりましょう!!


インタビューを終えて


今回インタビューをさせていただき、改めて聴覚障がい者の方々の苦労を感じました。

原田さんが柔術をされるときは補聴器外しておられ、周りの声や音は聞こえず、分かるのは、振動覚と視覚と触覚のみ。

もし自分が同じ状況で柔術をすることを想像すると決して簡単ではなさそうです…

原田さんが『手話のある柔術体験教室』を開催されているのも、ご自身が聴覚障がいをお持ちで苦労した経験があるからこそなんですね。

しかも聴覚障がい者の方々のためだけでなく、格闘技全般をやってる聴者の為の『手話の勉強会+手話ばなし』も開催されておられます。

『手話とブラジリアン柔術』を広めることが、原田さんの役目だとお話しされていますが、まさにその通りのことを実行されておられますね。

現在はコロナ禍で定期開催がむずかしかったり、マスクをしているために、口の動きや形を読み取る『読話』ができなかったりと原田さんにとっては試練が続いていると思います。

しかし、『聴覚障がい者向けの柔術大会』の主催や、『手話のある柔術体験教室』で全国行脚を目標とされる原田さんにとっては、ささいな試練なのかもしれません。

これからの原田さんの活動を応援していきたいと思います。

“ありがとう”

原田さん、ご協力ありがとうござました。