柔術家妻のぼやき【其の参】「道着は何着持つべきか」

妻のぼやき

皆さんこんばんは。河村です。

今日はご好評の嫁ブログ第3弾をお届けします。

皆さんは道着を何着持ってますでしょうか…(汗)

「道着は何着持つべきか」

「パリジェンヌは10着しか服を持たない(ジェニファー・L・スコット著)」という本をご存じだろうか。

随分前にベストセラーになった、元貴族のマダムからシンプルで洗練された生き方を学ぼうという本だ。

実際には、タイトルからイメージするような片付けや断捨離術を学ぶ本ではないのだが、「いらない服を捨てなければ」、「無駄な服を買うのをやめなければ」という焦りを感じさせられる、なかなか秀逸な邦題がついている。

そこのあなたもきっと、つい自分のクローゼットの不要物を思い浮かべてしまったことだろう。

しかしこれは柔術家の妻のボヤキであり、妻の服が多すぎるとか、いつかまた着れるはずに違いないと思い仕舞ってあるスリムサイズの服の話ではない。

当然、柔術に関するボヤキである。

そろそろ本題に入ろう。

柔術家諸君よ。あなたは今、自分が何着の柔術着を持っているか、瞬時に答えられるだろうか。

即答できる人は問題ないのだが、指折り数えてしまった人や、あとでクローゼットに行って数えてみようと思った人は問題だ。

どう考えても必要以上の枚数を持っているのが間違いないからだ。

我が家の柔術家に至っては、私が数えに行くのが面倒で、このエッセイを書かなかったほど、クローゼットに柔術着を積み上げている。

面倒だから本人に直接、何枚持っているか尋ねたところ、曖昧な答えを返してきた。

おそらく、自分でも買いすぎた為に把握できておらず、その場しのぎで適当に答えているのだろうが、もしかしたら私が思っているアレやアレは柔術着ではないということもあり得る。

そこで文句を言う前に、柔術着の定義を確認してみることにした。

サクッとWikipediaで検索して終わらせたいところだが、『柔術着の定義』など出てくるはずがない。

『柔道着とは』で調べると、道着という項目内に一応ブラジリアン柔術も入ってはいるのだが、そもそも柔術着でヒットしないのが、マイナー競技の悲しさだ。

仕方なく、日本ブラジリアン柔術連盟JBJJFの公式ルールブック内にある『IBJJF道衣規定』で確認してみることにした。(https://www.jbjjf.com/rules/ibjjfrule/)

生徒手帳の制服に関する規則の項目に書かれていそうな内容で、あまり頭に入ってこないのだが、どうやら洒落っ気は出すなと言っているようだ。

改造学生服のように、龍や虎のギラギラした刺繍を裏地に入れても問題ないのかとか。

濡れているものがダメのであれば、試合の時に汗だくになった場合はダメなのかとか。

どうでもいい疑問ばかりが湧き出てくるが、今回のボヤキには関係がないのでスルーしよう。

とにかく、クローゼットにあるアレらすべては、柔道着に数えて間違いがないようである。

過去に捨てた何着もの柔術着を含めると、一体いくら柔術着につぎ込んだのかと、ますます柔術が憎く思えてきてしまうのだが、ここは理知的に、「柔術家にとって、柔術着は何着必要なのか」を考えていきたいと思う。

まず洗い替えとして二着は認めなければならないだろう。

学校で使っていた体操服にだって、洗い替えは必要だった。柔術着が乾きづらいことを考慮して、三着としておこう。

我が家の柔術家はよく、『試合用』という名目で新しい柔術着を買ってくる。

これは試合の時にしか着ないと言い張るのだが、試合用だったはずの柔術着をしばしば普段の練習後、家に帰ってきてカバンから取り出しているのを見かけるのは、どうしてなのだろうか。

『試合用』というのは『ステージ用衣装』のような扱いで、何度も同じ柔術着を着たら恥ずかしいものなのだろうか。

納得いかないが、「あいつって、いつも同じ柔術着だよな」などと陰口を叩かれるのも可哀そうな気がするので、試合用の一着は許すことにしよう。これで四着だ。

あとの六着は、一体何用なのだろうか。

そうだ。しばしば新しいパッチをつけてもらうんだと言って、なんとかミシンという店にいそいそと柔術着を預けに行くことがあるじゃないか。

そういった際の為に、予備で一着必要なのかもしれない。ますます納得はいかないが、一応これで五着。

ごくまれに、「ちょっと柔術を体験してみようかな」なんていう会社の後輩などに、柔術着を貸していることもある。レンタル用として一着は必要なのかもしれない。これで六着になった。

既に無理やり理由をつけているのだが、これ以上思い浮かばないことを考えると、正直な話、六着もあれば十分なのだろう。たとえ一週間、毎日衣装替えをしたとしても七着だ。

いやいや、もしかすると私の知らないところで、『柔術家による柔術家の為の柔術着限定パーティー』なんてものが開かれているということも考えられる。

公式試合でないという解放感から、上下の組み合わせを変えたり、規定では貼ってはいけないとされている部分にパッチを貼ったりして、オシャレを楽しむのかもしれない。

それどころか、男女が入り混じり、柔術着にペインティングを施すという、謎のスパーリング儀式が行われているということも考えられる。極めて破廉恥なパーティーだ。

柔術着に謎のペインティングが施されてきた時は、破廉恥パーティーに出席したことを疑うしかない。

ちなみにパーティーの飲み物は、シャンパンなどではない。

当然、プロテインだ。滴る汗と筋肉は、プロテインを必要としているのだ。

結論、七着以上柔術着を持っている人は破廉恥パーティーの出席者である可能性があることが判明した。つまり、我が家の柔術家である。

*今回のどうでもいい話*

道衣パンツの中に着る下着の種類で、紐パンが禁止されているという規定がなかなかの衝撃だった。

紐パンを履いていたことによって事件が起きたことがあるのだろうか。

気になって仕方がない。

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